年末が近くなると会社の総務に提出する年末調整書類。
年末調整といえば控除についてもよく分からないし、とりあえず保険会社から来た生命保険の証明書類をまとめて記入だけしている方も多いのではないでしょうか?
今回は、会社の総務の立場で実際に年末調整の実務をしている筆者が、【収入アップ】年末調整手続きで気付いた節税ポイント3選というテーマで、年収の手取りアップを目指している方に有益な情報をシェアしていきたいと思います。
この記事を読めば年末調整で損をしない為に年末までに出来ること、意外とみんなできていないお得なポイントに気付くことができます。
年末に向けて生活を整えておき、所得税を還付してもらいましょう。
当社比の参考意見ですが、色々な人を比較して手続きして見ていて気付いた点は以下の三点です。
みんな民間の生命保険に入り過ぎなんじゃない?
1点目はとても多くの人に感じた点です。年間でこんなにも生命保険料払って、貯金するお金なんか残らないんじゃない?と感じました。
特に40代以降の人は顕著で、民間保険に色々加入しており一般保険料も介護も年金保険も控除額を目一杯使って有り余る額の保険料を支払っている方が多くいらっしゃいました。
もちろん、健康上のリスクをどれほど抱えているかは人それぞれなので、一概に生命保険を色々かける事について否定することはできません。
ですが生命保険の加入を考える前に何点か自分自身で調べてみて知っておいて欲しい事があります。
- 健康保険の傷病手当金について
- 高額医療費の制度について
- 会社の収入保障につながる制度はない?(有給積立制度など)
上の2点は外部サイトの参考リンクを貼ってます。3つ目は自身の会社の総務の方に相談してみてください。
そもそも医療費がかさんでも、健康保険の傷病手当金の制度を活用することで一時金を得られることや、高額医療費の制度を利用すれば入院時の支払いも毎月一定額以上の負担をする可能性は低くなります。また入院して働けない状態でも、期限を経過した有給休暇の積立制度のある会社もあるため活用すれば通常通りの給与を得る事が出来ます。
もしこれらを知らなくて保険のみでカバーしようとしていたのなら、まずはこれらの制度があることを知ってから、それでも不安のある部分を民間保険で補えば良いと思いました。
iDeCoはまだまだ掛けている人は少ない。年金保険強い
2点目、これは本当になかなか浸透していないと感じました。
老後の積立として養老保険などの、いわゆる民間の年金保険を選択する人がすごく多い印象です。
理由として考えられるのは、中高年の方にとってはまだまだ年金保険が一般的で既に何年もかけているため、そのままかけ続けているという事。
手取り金額の余裕度も低いせいか、20代の方は老後の積立をせず年金保険もかけていない方が多いです。そして若年層はまだまだライフイベントが多い為か資金拘束のあるiDeCoは選択されていないようです。
また年金保険を選ぶ理由には各々の親の世代の影響度も高いのではとも感じました。
そもそも年金保険で控除を受けられるのは、毎年支払った分から4万円分の所得控除が上限なので節税効果は限定的ですが、iDeCoは全額そのままが所得控除にまわります。節税額だけなら段違いです。
また満期後の年金保険の返戻金も年利に割り直してみれば運用利率はそんなに高くない、場合によっては減ってしまうこともある為、老後資金の運用としては心許ないと感じます。
どこまでリスクを考えるかは人それぞれ、日本人が株式を利用して老後資金の運用をするまでは中々ハードルが高いなと感じました。
確定拠出年金制度(企業型DC)を導入しているもっと大きい規模の企業だと、社員の老後資金を株式で自身で運用する意識がもっと高いと思いますが、私の知る限りで中小企業だとこんな実情です。
配偶者特別控除や扶養控除について見直す人が少ない
3点目は、該当者は少数かもしれませんが、扶養控除について毎年そのままにしていて見直したりしていない人が多い印象でした。
例えば、配偶者が出産・育児をしており、その年は収入が少ない場合、産前産後の手当や育児休業給付金は課税所得に含まれません。そのため、フルタイムの正社員であっても産休に入った時期によって配偶者特別控除に該当する年が出てきます。控除額も所得により段階的に設けられているため、少しでも該当しないか見直してみると生命保険料での控除よりも大きい金額を節税できる可能性があります。
また他にも親が年老いて既に引退している場合、パートナーが定年を迎えた場合(男性側が先に定年しているなど)、同居のご両親が引退された場合意外と税の扶養に入れる用件を満たしている場合があります。
身内の定年など引退されたタイミングで収入の大きく減少した年には見直してみても良いと感じました。
まとめ 日々の節約と同じで年末調整の節税を考えることは効果が大きい
毎月の食費の節約をして数千円ずつ切り詰めることも、年間で数万円の余裕資金が生まれて効果が大きいですが、年末調整の税金の部分を見直してみることもとても家計に与える影響が大きいと感じます。
リスクをどう考慮するかは人それぞれですが、年末までに生命保険の見直し、年金保険からiDeCoへの切り替えの検討だけでも考慮してみてはいかがでしょうか?
特に生命保険料の見直しは、月々の負担が大きく減ることになり生活費の自由度が増します。
年末調整で税金を取りまとめるタイミングが11月頃というだけで、節税に向けた生活改善は日々行う事ができます。
もしこれを読んだ方の生活改善・貯蓄の向上に少しでもつながれば幸いです。