最近、ふと20年ぐらい前に洋楽のCDを探していたことを思い出して、うろ覚えながら音楽の楽曲をyoutubeで検索してみたら数秒で見つかった。
ちなみにこの曲↓ youtube動画の著作権が分からないので直リンクは貼らない。
アーティスト名 Hammerbox 曲名 -Simple Passing-
探していた20数年前は洋楽といえばメジャーなものならいざ知らず、マイナーな楽曲は輸入盤のCDを多く置いている店を探し回って見つけるのが楽しかった。
輸入盤の取り寄せなどできるのかも知らなかったし、何となくそこまでするものでも無い気がして放って置いたのだった。
以前はラジオやTVでふと聞いた音楽が、何というアーティストのなんて曲かを聞き取れて、運が良ければCDに出会える。
出会えなければ縁が無かった音楽としてその内に忘れてしまい記憶に埋もれてしまう。
気に入った音楽を探すのはそう言う流れだったと思う。
今ならどうだろうか。ラジオでふと耳にすればすぐにラジオ局のサイトを調べれば楽曲が載っている。CMで気に入った曲を見つければメーカーのサイトやyoutube上に上がっていたりする。
適当にサブスクのプレイリストでオススメをランダムで流したりしても楽曲は画面を見れば一目瞭然だ。あー、このアーティストの曲だったのかとすぐに探せてしまう。
輸入盤 CDを探して回った時代を思い出したが、これがとても無駄な作業であったのか楽しかった思い出なのか。今ではよく分からない。マイナーな中古CDショップに立ち寄り、チラチラと気にかけて回ったことが、2021年ならものの数秒で探せてしまったのだ。
間違いなく、今は音楽と繋がりやすくなった世の中だと実感している。
端折っていえば、実は知らぬ間にとにかくあらゆる時間が短縮されたのだ、と実感した。
今、改めて探していた曲を聞いてみた。
こんな曲だったような、断片的な印象と合致するような、ぼんやりとそんな感じがした。
割とロックな曲調でテンポも早く、二十何年経つと私の方の感性が風化してしまっていて、その曲から感動を受け取れなくなっていた。
きっと今の自分の気持ちにフィットする楽曲は、もうこの曲ではないんだろう。
サブスクで大量の音楽の海に、即触れられるこの時代に、過去の名盤もクリアに残っているこの時代に、探そうと手を伸ばせばすぐに手に入れることが出来る。
手軽に聞けるからこそ、すぐに聞き入って消費された音楽は、果たして多くの人の思い出に残るのだろうか。数年後にももう忘れてしまっているのでは無いだろうか。
何より、ついに探し出せないと思っていた20数年前の、気になった曲もアーティスト名もうろ覚えながら何故か覚えていたのだし記憶にも残っていたから。
ただ思うことは、自分のタイミングで今聞きたいと感じた音楽は、まさに今すぐに欲しているから聞きたいのだ。10年後にようやく探し出して聞いてもその時にはもう遅いのだ。私の感性が風化してしまっている。生活や感覚にフィットしなくなってしまっている。
まさに、音楽は今の自分の気持ちを彩ることが大事なのだと実感した。